聖徳太子が描かれた偽の旧1万円札が東京都内のコンビニなどで使われた事件で、警視庁はいずれもベトナム国籍の20代の男女3人を偽造通貨行使の疑いで逮捕し、8日発表した。認否は明らかにしていない。
都内では8月中旬以降、コンビニやドラッグストアなど130店舗で計142枚の偽札が見つかっていた。警視庁は防犯カメラの映像などから、いずれも3人が関わったとみている。
逮捕されたのは、自称会社員のチャン・ティー・チャン(26)=東京都新宿区百人町2丁目=、いとこで自称会社員のチャン・ナム・フォン(26)=同=、アルバイトのター・マイン・クオン(22)=東京都三鷹市上連雀1丁目=の3容疑者。
捜査2課によると、3人は8月下旬、東京都中野区のコンビニ4店舗で偽の旧1万円札を使い、飲料水などを買った疑いがある。それぞれ約9900円の釣り銭を受け取っていた。3人の自宅などから計約130枚の偽札が見つかったといい、入手経路を調べている。
聖徳太子の1万円札は1958~86年に発行され、今も使える。3人が使ったとされる偽札は透かしのようなものが入っていた。記番号はいずれも「PS」で始まり、複数の数字を挟んで「N」で終わる実在しないものだった。
偽札の作製や行使の罪の法定刑は無期懲役または3年以上の懲役。警視庁幹部は「通貨制度にかかわる重大な犯罪。安易に手を出すべきではない。被害に遭う可能性がある店舗は注意してほしい」と話している。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル